出版界の心配かい?
普段、仕事はほとんどが出版社の仕事が多いので、色々な出版社の方々に会う機会が多いです。ここ10年15年出版業界が元気がないと言う状況が続いているが、それでも本に関わって仕事をする事が楽しいし、やりがいもある。
ある時期からホームページのデザインもする様になったものの、仕事としての密度や完成度それに充実感はウェブ関係の仕事などと比べると雲泥の差だなと、いつも思います。ちょうど、印刷用の写真データとWeb用の写真データの違いのようだなといつも思います。
本屋さんの数が激減している
昔はどんな小さな駅にも必ず本屋さんがありました。しかし、コンビニができたりして一番元気に売れる雑誌は本屋さんで買われる確率は激減。当然本屋さんも激減するはずでしょう。面白い本も減っている、本以外の面白いものが増えている。景気が悪いからお小遣いも減っている。…などなど。おまけに戦後本屋さんをはじめた方々は50年60年やったすえ、そろそろ引退の時期に来て出版界の景気も悪いなんて事が重なっています。その方々は80歳ぐらい。後継者は当然本屋さんを継ぐ事はないでしょう。
古本屋さんは増えているんじゃない?
最近、ゆうじんの和菓子屋さんに仕事で打ち合せに出かける。お店は清澄白河や東陽町などにある都合でそちらの方に出向く事が多いのだが、若い人たちも多く、商店街は古い商店街に若者の運営する趣味のお店が増え、そんな中に古本屋さんが増えているのを目にする。古本屋さんは趣味性を前面に出せる、出版の元気な頃の本がたくさん並んでいる。
本の流通がとてもおかしい。
流通は、かつて「出版の保護」の大義名分を掲げてつられたと聞いています。ボクが未だ駆け出しの頃から出版社の方々から「流通」の話を聞き続けてきました。それは、「取り次ぎが厳しく取り次ぎは(自社で作った本を)取ってくれない」「取り次ぎがタイトルを赤にしろという」など、取り次ぎの発言をあまり快いものとは思えない事を伝え聞いていました。
先日シンポジウムに参加して、漠然と分かっていたはずの取り次ぎの機能を整理して理解する機会がありました。出版は流通する事でお金を見込みで出版社に払ったりと、仲介に入る変わりに、金銭的なものをサポートするなどしてきていることをはっきりつかみました。しかし、今となってはその金銭的なサポートは出版社のサポートに本当になって来たのだろうかと疑問にも思いました。
最近になって3000部の本を出版社が作っても800部しか流通しないなんて事がちょくちょく起きています。本って作っても出版社に入るお金はは2割ぐらいと言う事は、計算してもらえると分かるけど、16000円の本で3000部だから480万円、そのうち印刷費が2割、2割が本屋さん、2割が流通、2割が著者や制作、そして出版社が2割そしてそれ以外が諸経費と考えても、2割は240万円の計算になるが、3000部流通して3000部全部売れての話でしかない。それが800部になったら一冊本を出しても260000万にもならない。これでは出版社は、やっても行けない。…まてよ流通だってやっていけるはずはない。それなのに本を取らないと言う事は、別事業を考えているとしか思えない。
Amazonはちいさい出版社の救世主?
今の今は小さい出版社は、Amazonがあるから何とかなっているなんて所も少なくない。しかし、Amazonは外国資本の企業で、もともとはインターネットで流通を考えた時に、「本を読む人たちの層はモノを消費する購買層」と言う視点から本を扱う様になったと言われています。実際、本を売ってもすごい儲けになるような商品でない事はちょっと考えれば誰でもが分かる。
しかし、Amazonは消費者に取ってはとても便利。24時間やっているし、モノはだいたいが翌日に届くし、買い方によっては送料無料と来ている。一度買ったら、楽天なんかとは比べ物にならないトータルなサービスで消費者であればとっても便利です。
しかし、最近では、本の値引き販売や、古書と並べて売られるなど、出版社からしては面白くなく、読者からしては喜ばしい。
(今までのようなかたちで本は売っていかれない事を気づかない、気づきたくない出版社に問題がある様に思うのはボクだけだろうか…)
こうやってみて見ると
いままで日本の社会に置いて中間に入る事で利益をむさぼって来た階層が、インターネットの普及で、いらなくなって来ている事を、認めているのは購買者だけ。認めていないのは、今までの方法から離れられない人たちと言う事になります。
…また気が向いたら(続く)
- 作者: 清水玲奈,大原ケイ,エクスナレッジ
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
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